自分がマジックと下以外の話をしているとかなり違和感があるんだけども、ちょい気になったので・・・

今世間で話題になっているPC遠隔操作事件について思うこと

凶悪犯と世間で騒がれている被告人の弁護人を勤めると必ず世間の人にこう思われる。
あの弁護士は悪いやつだとか、何を考えているんだと。

確かに刑事事件については被告人に弁護人依頼権が保障されているが、弁護人活動義務なんてものはない。従って、弁護活動は私選であれ、国選であれども自らが引き受けるし、やめようと思えばいつでも辞任可能である。
よって、自ら悪人とされる人物の依頼人となった以上そいつも悪人と考えられてしまうのである。

話を元に戻すと
PC遠隔操作事件で公判中の片山祐輔被告人は5月20日、これまで続けてきた「無罪」の主張を一転させ、「私が真犯人です」と弁護人に認めた。
動機は、例の河川敷の工作がばれて無罪を勝ち取ることはほぼ不可能となり、心証形成に響くため自ら反省の態度を表したということだろうと予想される。

問題は、主任弁護人にはその真実が伝えられていなかったということである。
当然主任弁護人は被告人と何度も接見し、僕は無罪であるから協力してくれと言われていたはずである。
にも関わらず保釈中に姿をくらましたり、偽装工作したり、嘘を言われている中で信頼関係ははたしてあるのか疑問は残る。
弁護人は一度引き受けた以上無罪主張に最善を尽くさなければならないのが刑事弁護の倫理であり、ましてや有罪主張したら懲戒を受けることにもなる。

自分でも依頼人が完全に真っ黒であるとしても、依頼を受けた以上、無罪であるとの弁護活動をやるし、その点について自分の信条に反するとも思わない。

しかしながら、その前提として、依頼人が真実を話してくれていることがあり、依頼人との信頼関係が自分の刑事弁護活動の基礎になっている。
従って、自分としてはこれ以上弁護活動をすることは困難であって弁護人を辞任するのである。
この点については色々な考えがあって、人によっては一度引き受けた以上最後までやるべきとの考えもあるし、やめるべきとの考えもあるとは思う

でも自分としては依頼人との関係うんぬんの前に人と人との付き合いにおいて、相手との信頼関係というものを非常に重視するのであって、これだけは何をやるにしても譲れない点である。

そういう点で先輩の話であるが、最初は話すらまともに聞かなかった少年との間で毎週通って信頼関係を築き上げ、その少年は考えを改め、現在立派に働いているという話も聞いたことがある。
自分にはそんな立派な美談はないが、いずれかはそんな仕事をしたいとも思っている。

また自分の仕事においても、ボスの信頼がなくなればすぐに辞めるし、辞めさせてもらうという話をしている。

話が横道にそれてしまったが主任弁護人が記者会見でいくらマスコミの前とは言え、「裏切られたという感情はない」と語った点は自分には考えられないし、それはそれですごいと思う。

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